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認知症

日本の認知症患者数は認知症の前段階とされる軽度認知障害を含めると65歳以上の高齢者の約4人に1人が認知症あるいはその予備群ということになります。認知症の発症にアルツハイマー病の発生が過半数の割合で65歳以上の高齢者の7人に1人、その他にレビー小体型という認知症疾患が20%ほどの割合で関係する。 将来、患者数は増加傾向にあるという。この発症頻度が示すところによれば認知症は先天性の特定の遺伝子異常が原因となり発症すると考えられるが、老化現象が強く関係している可能性が高い。現在のとこと確立された予防法すらない。疫学研究によればアルツハイマー病に関連するいくつかの遺伝子が同定されているというが、老化による複数の遺伝子異常の蓄積がアルツハイマー病の発症に強く関係していると考えられる。 いずれの認知症にも脳に異常な蛋白が蓄積することによって、脳神経細胞が壊れていく病気となる。認知症で高頻度でみられるアルツハイマー型認知症では老人斑の沈着が脳内(大脳新皮質)の全域でみられるようになり神経細胞が破壊され大脳が萎縮することを特徴としてる。老人斑の主要構造成分であるアミロイド蛋白質はもともと神経細胞の巨大な膜蛋白質の一部として通常は神経の成長と修復に欠かせない役割を果たしている。 難病である全身性アミロイドーシスは比較的に稀な疾患であるが、アルツハイマー病は脳内に局限して発生するアミロイドーシスの一種といえる。このことからアルツハイマー病の発症にも先天性の遺伝的な要素がある程度関連すると考えられる。アミロイドーシスを発症した患者にも変性したアミロイド蛋白質の沈着が全身の臓器に認められ根本的治療法がなく不可逆的(改善することなく)に疾患が進行することが知られている。 アミロイド前駆体蛋白質は種々の蛋白質分解酵素によって、いくつもの数十種類のアミノ酸断片からなる小さなペプチドとして細胞外に生成される。神経細胞の場合には、いくつかの断片になった時もそれぞれに神経細胞の機能に対して何かしらの有用な役割を果たしている。 アルツハイマー病では遺伝プラス環境因子により細胞が老化すると、一部の40種類ほどのアミノ酸から成るアミロイド蛋白が変性して繊維状に沈着して老人斑として蓄積される。なぜ老人斑が脳(大脳新皮質)全域にわたり形成されるのか詳しい仕組みは今でも明らかになっていない。 一度アルツハイマー病と診断されると根本的な治療法がなく進行を遅らせるのが極めて困難である。 認知症では体験した出来事の一部を忘れることがある自然な老化による物忘れと明らかに違い、体験した記憶を丸ごと失ってしまう状態になることが特徴である。短期記憶の消失が初期にみられ、病状は徐々に進行して、いまが何時か、何月何日なのか分からなくなり、今どこにいるのか、家族や近い人間が分からなくなり、平均しておよそ10年で死に至る。感情と身体運動能力は末期になるまで保たれるが、死の半年から2年前にはねたきりとなり、最期は嚥下障害や肺炎により死亡する。 抗認知症薬として国内では4種類が適用されている。しかしながらいずれも進行を1年ほどしか遅らす効果しかない。 アミロイド蛋白質は変性する前はインスリン分解酵素などによって分解されることが分かっています。糖尿病などでインスリン抵抗性が発生するとアミロイド蛋白質の分解が抑制され、これがアルツハイマー病の発症に関与することが推測される。 糖質の過剰摂取はインスリンが過剰に存在することになりアミロイド蛋白質の分解が抑制されるため、これがアルツハイマー病の発症に関係するという仮説がある。 脳神経細胞もその他の細胞と同様にエネルギー源として利用できるのはグルコース(糖質)だけでなく、体に蓄えた脂肪や蛋白質から肝臓でグルコースを生成できることと、グルコースが枯渇した状況で脂肪酸が燃焼するとケトン体(アセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸)という物質ができ、このケトン体は脳のエネルギー源となりえる。 アミロイド蛋白質の沈着は老化現象の一つとして考えられます。脳神経細胞外にアミロイド蛋白質が修飾性変異を起こして生じる繊維性の沈着は皮膚の老化として認められるコラーゲン線維蛋白質への架橋形成(クロスリンキング)と不可逆的な現象という点で類似する。 アミロイド沈着は老化に伴う遺伝的要因(遺伝子変異や分解酵素の機能低下)や環境的要因(糖化最終生成物としてAGEや酸化ストレス)が相互に関係して起こると考えらる。 現在、アルツハイマー病は治療法が確立されておらず不治の病となっています。しかし早期の予防策として糖質制限が有効である可能性がある。

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